Walk,Melos.

勇者は、ひどく赤面した。

どうなるのでしょう

 さっき母親に、大学辞めて家出てけ、といわれて仕舞いました。

二年次の学費は出してくれないそうです。本気か?

新居に何を持っていこう?思えば、本当に必要なものなんて、案外少ないように思う。

スマホは、解約されるかしら。PC。usb。充電コード。保険証(このまま使える?)。

財布。通帳。印鑑。常備薬(?)。ハンカチ、ティッシュ!遠足か。

あとは、太宰の初版本。全集も持っていきたいけれど、重くて持ちきれないから諦めよう。でも、「晩年」は外せない。あとは、着替えが少しあればうれしい。

せっかくだから最近買ったswitchも持っていこう。最後に、寝袋も。

 あたしは、何を呑気に、話しているんだろう。安全な明日が確実に来ないことの、不思議な浮遊感。母は、寝ている。夜がこんなに静かなことを、私は知らなかった。

 母はどこまで本気で言っているのか、私にはわからない。どうなるのだろう。今まで積み上げてきたものが、当たり前だと思っていた日常が、瓦解してしまうのは、案外たやすいことなのかもしれない。

日記2

  物音を立ててはならない。確かそんな洋画があったな?フィクションの世界であればいざ知らず、しかしそれが我が家で、しかも私の身に起こるだなんて、想像できたはずがない。母親は、顔を見れば気持ち悪がる始末。笑えないだろう。

 さっき日記を読み返しながら、自分の紡いだ言葉であるのにも関わらず、ひどく嫌悪感を抱いた。端的に言って、吐き気がした。そこに在ったのは、思想家でも何でもない、思いあがりの激しいただの低能な小娘であった。

 Like birds and bees, And summer cold treats, Cloud watching and Cotton Candy.

 たった一言知らせて呉れ! “Nevermore”

 「正直に言つて、君の小説は馬鹿げてゐる。インテレクチュアルでないのである。なんと言ふか、知識の上澄み液だけをうまい具合に掬い取つて、集積させたものを、バカラか何かの、身分不相応な容器に注いで、自慢してゐるだけであるやうに思はれる。」

 さっき、お前は大学に行くのにふさわしくない、運送やれ!と母に怒鳴られたのを、思い出した。さすがに、失礼である。

 私は、経験よりも素質に頼りたい。今だけは

座談会

ー女子会を座談会と称する者がかつて在つただらうか?

 私は座談会が好きです。ある穏やかな秋、太宰治の資料を求めに、下連雀古書店をめぐっていた日のことです。私は、とある雑誌と邂逅しました。パラフィン紙をまとったその表紙には、「無頼派座談会」という文字が、記されていました。まあ、なんともこちらは有名な、バー・ルパンで行われた座談会ーーもちろんその雑誌は買い求めましたが、この話に関して、本日は、これ以上話すことは止します。なんだか、疲れてきてしまいましたので。

 本日は、同学部の友人と、ハワイアンランチを楽しみました。彼女はファッションもメイクもヘアセットも、すっかり洗練されていて、スバラシク可愛らしい女性です。隣を歩く自分が、少し気恥しく感じられるほどに、私は彼女の愛らしさを、いわば信仰の対象として捉えています。しかし私は、ものの5分で、その外見をも凌駕するほどの、親しみやすくいたずらっぽい彼女の微笑みに、魅了されていました。

 仮にも年頃の私達女学生の会話を公に求めることは、不躾でしょうから、ここはお得意のはにかみを以てご容赦くださいまし。ただ、私は、この座談会をもって、高校時代は毛嫌いしていたはずの、「共感」しあうこと、「自尊心を高めあうこと」を心から楽しむことができました。それは女性に特有の(私はこういった婉曲的な表現を好みませんが)感情の交流を、面白おかしくとらえる方の目には滑稽に映るかもしれませんが。

 

 もっと書きたいですが、疲れましたので、このあたりで止そうかな。ごきげんよーう。