Walk,Melos.

勇者は、ひどく赤面した。

〇〇〇〇へ告ぐ

 好き嫌いなんて本当に人間の数だけそれぞれに存在するものだけれど、その全部に合致して魅力的なだれかなんていないし、だからこそその誰かになろうとする努力をする必要もないのサ。どっかで妥協して笑って明日も過ごせればそれでいいんじゃない。知らんけど。

 返したくないLINEはブロックしちゃえばいいよ。誰にでもいい顔する、そんないい子になる必要なんてないよ。君が思うより、他人は君に期待なんかしちゃいないから。君はただ、消費される、互換性のある誰かの一人に過ぎないよ。みんなはただ、少し自意識過剰すぎたんじゃないだろうか。見えないものは見なくていいよ。君は毎日、都会の中でアホみたいに若さを消費して月並みに幸せになればいいさ。

 ちょっと悪くなりたいみたいな若いころの自意識で環境を変えようとしても、うまくいかなくて、横滑りしながらなんでもないようにお道化ているけれど、結局は今までの自分が好きで、それにその自分は人がいいときたから、君はずるい人間たちにただ都合のいい人みたいに扱われて、苦しくてもそれを胡麻化して生きることしかできないね。でもだからといってぼくは君の助けになってあげられないよ、僕だって毎日必死に生きているから。君がこの世に生をうけてそれを享受する間は、本当の意味での安らぎなんて得られない。君は目を覚ませばこの地獄みたいな社会の中で生きていかなければならないし、死ぬまでそのサイクルに終焉は訪れないよ。