Walk,Melos.

勇者は、ひどく赤面した。

今日のこと

 今日はやたら人と目が合う、というか目を向けられるというか、、?私はいつも下を向きつつ歩いているので、人の目なんか、一瞬も見ないのに、電車待ってるときなんかに、わざわざ顔をのぞき込んでくるのはおかしい。今日はいい感じの顔ではなかった。でも目はいい感じに死んでいた。単に疲れていただけ。

 今日は、ボイスサンプルの収録へ行った。向かうように指示された先には、奇妙な建築構造をしたビルディング。周りには、その建物を撮影している人がちらほら。渋谷の駅近、足代ばっかりかかってたまんないから、少しうんざりしていた。詳しくはかけないけれど、私は、なんだかやっぱりこれは詐欺であるような気がしてならない。事前に、私には経験がありません。といっても、cmやオーデションを勧められた。君ならできる、と。嘘くさいな。その経験を積むために、とワークショップを勧められて、そこで金銭を要求されるのかもしれない。偉い人?がでてきて何か話していたけれど、あまり真剣には聞いていなかった。僕に会うために、来たと。いやいや、ひどい嘘だな。こういうのは、どうせ詐欺だからという構えでいたほうが、あとでショックを受けずに済むと思う。オーデションなんかいいから、私はプロなんぞ目指していないから、せめて足代の元が取れる分くらいの依頼をください。

 僕は疲れています、気力がない。誰も信じないけど。今日は、一人で映画を見に行きました。初めて、寂しいと感じた。あれ、グッドバイを観た。揺らめくカメラワークと、本をめくるような場面転換、ナガイさんの演技、が、よかった。ただ、この作品と、太宰の原作とは、完全に別のものだと割り切ってみるべきだと思う。太宰だったら、あんな結末にはしない。ネタバレだけど、私的には、後半の流れは、蛇足であるように感じた。幸せすぎる。もしも、もっと太宰に寄せて書くのなら、どうしようもなく、だれも救われないけれど、ただそれは完全なるバッドエンドではない。そんな脚本にするといいかもって、別にそういう趣旨の映画ではないだろうが。

 僕には真剣に小説家を目指していた時期があった。原稿用紙を100枚くらい買って、おかしな小説ともいえないような作品をたくさん書いて、ときどき友人に読んでもらったりもした。高校2年くらいのこと。代表作は、とある小説家と、そのお妾さんの悲恋話。馬鹿げてる。それでも私はそのとき、真剣で本気だった。でも、そのうちに、気づく。自分は、所詮、薄っぺらい、人のまねっこを煮詰めたような、作品しか書けないと。言葉のセンスも、皆無。ある日、本当に突然、絶望してしまって、やめちゃった。

 後輩は、もし私に後輩ができたとしたらね、敬語なんか使わなくたって、構わないよ。日本て、年功序列の考え方がどこにでも浸透しているから、簡単には言えないけれど、フォーマルでない場なら、本当に、敬う感情を持てる人にだけ、使えればいいと思うよ。僕はね、もう正直、うんざりしてるんだ。